『浪人編、完結。』


ライズだ。こんにちは。

昨日のお見苦しい魂からの叫びは、やはりあのままにして置いておこうと思う。



さて、去ること一年前、『浪人は浪漫の浪』とかいう意味不明の標語を掲げ、俺は河合塾京都校の門を叩いた。

結論から言って、この時の俺はどうしようもないほど浪人という怖さを知らない、ただの馬鹿に過ぎなかった。


あれから一年。


時に、浪人という所業を一年間全うすることは、自分の中の無限よりも深い暗さと一対一で向き合う事に他ならなかった。

朝から晩まで予備校に通い詰めるという目標は、たった一ヶ月で限界を迎えた。

俺はなんだかんだいって温室に居たんだと、何の大した事もない怠惰な若者の一人にしか過ぎなかったのだと己を恥じた。


夏は受験の天王山だという。

だが俺は、夏期の間に死に物狂いで勉強したためか、夏の終わりと同時に失速した。

燃え尽き症候群という言葉がお似合いだ。


ハルヒ2期が予想外につまらなくて、西宮にあるからという理由で関学を目指していた俺は致命的な精神的ダメージを受けた。


何度でも言うがエンドレスエイトの私怨で言うのではない。

何秒も合間合間に静止画を挟み、連続物とはいえ、“憂鬱”の時のような一話一話の始まりと終わりも全くとりとめがない“溜息”編。

ただただ小説版を映像と音声つけて再生しているだけの、脚本全般を放棄したのではないかと疑えるテンポの悪さ。


1期の時の毎週のワクワク感をどこに味わえばよかったのか?

どこにもそんなものはなかった。



そうやってふて腐れて燃え尽きていった俺はこの頃、自分でも自分が分からなくなっていた。

俺と同い年の奴はスケートで世界を狙い、ゴルフで賞金王になり、そんな中で俺はみじめに浪人していたのだった。


同時に数多くの誘惑が、心の隙間を埋めるように大挙してきた。

俺から、行き帰りの電車の時間の大半を奪い去ったペルソナ3ポータブルはその最もたるものと言える。

だが、何をしていても焦燥感は消えず、いつの間にか夢遊病のように単語帳をブツブツ唱えている。

心の病と言われても否定できない何かが底に流れる生活。


やがてエリザベスを倒し、未練が無くなったと同時に俺は目が覚めた。

俺はそれから、演算処理機になったかのように問題と向き合いはじめた。




今日その結果が速達でやってきた。

封筒だった。

小さな、厚い封筒だった。


これで終わりだと思うな、と親に言われた。俺は大学院に進学しようとしているからだ。

大学に受かったからとて一年中遊びに耽るわけにはいかない。

しかしそれでも。

次の遊戯王の制限改定に合わせてデッキを作るぐらい、今は許されてもいいはずだ。



一年間サイトをちょくちょく見てくださった皆さんに報告します。

無事に第一志望大学に合格しました。ありがとうございました。


これからは、大学生ライズとなってこのサイトを引き続き運営していきます。

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