『死の灰の夢について。』

ライズだ。こんにちは。

現在3月28日の早朝4時である。なぜこんな時間に日記を書いているかというと、とても怖い夢を見たからである。

すごくはっきりとした夢だった。俺は時々こういう夢を見るが、今回は群を抜いて夢にリアリティがあった。

しばしお付き合い願いたい。


夢の中の自分は高校生だったが、昼間にPCを見ていたら、ダダという俺の親友がやっているブログ(現在は存在せず)に、一言だけメッセージが書かれていた。

死の灰オワタ\(^o^)/』と書かれたその記事は、これもはっきり覚えているが、午前5:55に投下されたもので、それ以外何の情報も分からなかった。


俺は「なんだそりゃ」と思いながらとりあえず無視して一旦ブラウザからYahoo!に戻ろうとした矢先、何故か接続がとてつもなく重くなっている事に気が付いた。

Yahoo!に速報が出ていたのである。

核戦争がどこかで勃発した可能性があるといった内容の速報だった。


核兵器が落ちた際の“死の灰”については俺の日記の去年のナンバーに記事があるので、そちらを見れば怖さは理解できうると思う。

死の灰の問題はもちろん俺にとっても他人事では済まないもので、俺はこの時たしかに死を覚悟した。

俺の肉眼でも見えるほど、黒い霧のような粉塵が太陽を覆い始めていたし、あと数日も経てば地球上の生物は絶滅するという知識を夢の中でも持っていた。


最初、『やばい、俺の書いている小説はどうしよう』と思った。

俺がかつて書いた作品に『タイムカプセル』というのがあり、それが一瞬頭を掠めて、後の知的生命体に紙媒体が渡ればいいのにとも思ったが、誰もきっと文字をわからないだろうとも考え直した。ロゼッタストーンは用意されていないのである。

だから俺は、どうせ死ぬのならと開き直って、自分の考えた話を絶滅する前にみんなに口頭で聞かせて、後腐れなく死のうとまで考えた。


ややあってから、俺たち国民は全員、アメリカ政府が極秘裏に日本全土の下に作っていた地下都市に避難するように呼び掛けられることになる。

俺は一風変わった電車に乗りながらその地底都市に向かった。


途中で恋人と合流し、一緒に人の流れに沿って歩き始めたのだが、速報でしか情報を知らなかった俺は恋人に詳しい話を聞いてみることにした。


『どうやらアメリカとロシアが核ミサイルを打ち合ったらしいが、両方とも一発で壊滅したので“一発づつしか打てなかった核戦争”と呼ばれている』

というのが詳細らしかった。


ただ、その話の中で奇妙な点があった。

ダダがブログにそのコメントを書いたのは午前5:55だったが、核ミサイルが発射されたのは6:55だった。

ダダが時刻を偽って書きこんだのか、それともあるいは…………。

だが今現在も、まだ誰もダダの姿を見ていないというから確かめようがなく、俺たちはとにかく前に進むしかなかった。


俺は夢の中でトイレの頻度が高かったようで、高校のときの友人たちに「お前トイレ行くよなあ」って言われてたという無駄なことまではっきりと覚えているが、それはさておき俺は、地底都市の中の学校へ向かい、そこへ数日間だけ通うことになる。

そして中学の2、3年の時に担任を持ってくださった先生と再会し、同じクラスの人間のリストを受け取って階段を下りたところで、目が覚めた。


文章にするとなんてことはないように感じるが、それは俺の描写力不足が招いているだけであり、本当の夢はもっと奇妙で、もっと恐怖に満ち満ちていた。

今は冷静になってきたので、夢のパーツをひとつひとつ分析してみたい。



まず、“死の灰”がなぜ夢に出てきたかは、昨日高校来の友人たちとたこ焼きパーティーをした際に、誰かが「死の灰の問題はどうするんや」と言ったのを小耳に挟んで『なんつー会話だよそれ』と思ったのがきっかけだったかもしれない。


死の灰”の光景は、俺がかつて読んだロバート・A・ハインラインの短編集『時の門』の中の一編『大当たりの年』を読みながら想像していたものそのものであった。


中学のときの先生と会った際にほとんど反射的に「3年ぶりですね」と言ったから、俺は高校3年生、今から2年ぐらい前の状態だったといえるかもしれない。これについてもたこ焼きパーティーの影響かも。ちなみにその頃はまだダダは自身のブログを運営していた。


それらの要素が部分部分で複合的に混ざり合って、こんな禍々しい夢を見てしまったのだと思う。


しかし、本当に怖かった。というか生きる方向性が変わるほどにショックな夢だった。

今は、明日があって、明後日があるということがとてつもなく幸福だと思える。


ただ、あまりに感触がリアルすぎて、ひょっとしたらあれはどこか違う世界の俺が本当に味わっている事じゃないかとさえ寝ぼけながら考えもしたが、少なくとも俺はそうならなくてよかったと思うばかりである。


なんだか起き出し+恐怖+怪テンションで意味不明な文章になってしまっているような気がするが、今日だけは許してほしい。


それじゃ、寝るのは怖いので今から原稿を書き始める。


『一発しか打てなかった核戦争』………これを題材に出来ないだろうか。