『飛んで火に入る俺の通知表』
えっと、ライズさんですか。少々お待ちください。
今代わった。俺だ。ライズだ。
今日はひとつ俺から、残念なお知らせをしなければならない。
昨日の俺の日記を読んだ方は居られるだろうか。
もしも読んでいたならば、俺は昨日の日記の最後の一行に、
『悪魔の落とし穴へと変わる日がいつかはやってくるものなのだろうか。』
こう記したのも覚えている事だと思う。
―――――ごめん。
悪魔の落とし穴、早速今日はまっちゃった―――――
そのトラップとは、どのような世代の人でも何度か経験するであろう通過儀礼。
長かった学期からようやく一旦の休息へと移り変わる、天国と地獄の境界線を通り抜ける為のパスポート。
即ちそれは、“通知表の発布”に他ならない。
さぁ開いてみようか、我が通知表を。
……………………、
……………、
……、
…ごめんなさい。
生まれてきてごめんなさい。
なんていうか、うん。アイムソーリー。俺の語彙にはそれ以外の言葉が見当たらない。
そりゃ、成績が延びた教科だってあるさ。前より改善された教科だってあるさ。
でもなぁ、受験受けようと思ってた最大の科目で、この数字取っちゃダメだよな。
――――嗚呼、我が神よ。
俺に死ねと? 死んじゃえと申すのですか?
それとも俺の神自体が実は悪魔だったんですか?
明日から無常にも開始される冬休み。
宿題や、ある先生から特別に出された課題を背負って、俺は今旅立つ――――