『物事とは必ず、どこかで“終わり”を義務付けられる』
ライズだにょん。メリークリスマス。
意味わかんねえテンションでお送りするZE。
さて、今日がクリスマスだという事は日本の人であれば、冬眠でもしてない限り誰でも分かる事だと思う。
夜中のうちに忍び込んだお人好し爺さんの包みを開けて一喜一憂している我が妹を鼻で笑いながらも、俺は「あー、現金でいいから俺にも分けてくれりゃいいのに」とかなんとか、ともかく妬みにも似たオーラを発していた。
まぁアレだ。こないだ最後の野口英世さんが飛んでいってしまい、恐ろしいほど財布の中で閑古鳥が鳴いている(これ言い回し合ってるのかね)ような、そういう状況に居るわけだ。
かく言うわけで俺はクリスマスという一日をクラブの部室で過ごしていた。
俺は、なんだかんだでノベル製作中だし小説書くのも好きなんで、顔に似合わず文芸部に所属している。
冬休みだというのに人間結構暇なもので、1年生の部員は俺を含めて全員集合してきた。
まぁだからと言ってクリスマスを祝うわけでもなく、いつもの通りの時間が流れている部室。
実はクリスマスパーティーは一週間前に開催していたのだ。
あの時は“王様ゲーム”でポッキーゲームやらされたり、告白ごっこに付き合わされたりとなかなか楽しい時間を送ったものだが、どうにも当日になる頃にはネタも無いもので、ある者は漫画を読み、ある者は絵を書く。正にいつもの文芸部であった。
無論、昨日彼女に頂いたマフラーを着用して登下校をさせてもらった。
暖かかった。
さて、ここから本題に入ろうと思う。
唐突だが、今日のイベントとはクリスマス、即ちキリストの生誕祭だけではない。
この意味に心当たりがあるものはあまり居ないと思われるので、さくっと言ってしまおう。
『今日は、“メタルギア・オンライン”サービス最終日であった――――』
メタルギアオンライン(以下“MGO”)が何かを知らない人は、暇だったら適当にグーグルで検索して欲しい。
さて、俺が初めてMGOに触れたのは、なんと今年の10月であった。今から2ヶ月前である。
無論、MGS3SSは発売初日に購入したのだが、何せ俺の持つPS2は35000型でね。オンラインモードで遊ぶにはアダプタの購入を余儀なくされたわけだが、俺にはそこまで金が無かった。かくして、「もう俺はMGOなんていいか」などと諦めていたものだった。
それを思い切って購入に踏み切ったのが10月だった。まとまった金が出来て、ようやく買いに走ったのだ。
失敗ばかりしつつ、必死で接続させる事に成功し、俺はようやくMGOデビューを果たした。
完全に余談だが、俺が操るキャラの名は“RISE OR”。これは、禮逗御舞蝋摩(= RЇζё оҒ Яом¢)から、Riseと後ろ2つの頭文字O、Rを付け足したものであった。
まぁどうでもいい情報はいいとして、俺は少しづつとは言えそこそこ人間を殺せるようになり、着実に操作テクニックを身につけていったものだ。
だが、繋げてから3週間後に、その知らせはやってきた。
「MGOサービス、12月末まで。」
ちょwwwwwwwwwwww などと思ってしまったのも仕方あるまい。4000円と引き換えに購入したアダプタが2ヶ月で役割終了とは勿体なさすぎるというものなのだ。
「せめて、サービス最終日には遊び倒してやろう」 と、俺は心に決めた――――
――――そして当日。
俺は度重なる接続ブッチに耐え、最後の瞬間に居合わせることが出来たのだ。
その時だった。
何故か分からないが、俺の目にはうっすらと涙が出ていた。
自分自身、不思議に思った。
たった2ヶ月の間だけしか居なかったと言うのに、どうしてここまで悲しくなるんだろう。
その答えは、未だに見つけられないままでいる。
ひょっとしたらただ何となく泣いてしまっただけかも知れないし、“物が終わる瞬間”が悲しかっただけなのかも知れない。
ただ、顔も見た事が無い人間たちが、ある時は味方として、ある時は敵として争いあったその場所。
その全ては所詮ゲームの中に過ぎなかったモノなのに、俺はそう簡単には思えなかった。
今度はOPSだろうか?それともMGS4だろうか?
もう一度彼らと会える日が来るのを、俺は今から楽しみにしている――――
――――最後に。
“メタルギア・オンライン”を一度でもプレイした事のある人間全てに、一言だけ言わせて頂きたい。
『ありがとう、戦友。』
ではでは。