『合言葉は“ファルカーク・ザ・マントヒヒ!” いや、意味は無い』
ライズだ。
なんか今日は世間一般で言うホワイトデーに相当するっつーような訳で、当然俺も色々と事前準備が必要な訳で。
しかしまぁ、アレだ。
バレンタインの時は、企業もメディアも大持ち上げしやがるのに、このホワイトデーとの温度格差は一体何なのか。
おかげでお前、『ホワイトデー用にお菓子買ったんだ』と店員が気付いてくれないんだよホント。
部活の皆さんに配るだけでシュークリーム箱を7つもこしらえなきゃいけないのに、店員の野郎俺の事チラッと一瞥して、『うーわ、こんなに食うのかよこのメガネ』みたいな視線を惜しげもなく振り撒きやがった。
とりあえず『へへん、少なくとも俺は、お前ら店員よりは断然スリムだぜ』と視線に込めてやった。心が虚しかった。
それとは別に本命のいちごマシュマロを買った時は、ちゃんと“ホワイトデー反応”を見せ袋に包んでくれたので良しとしてやってもいいが。
―――――しかし、だ。
俺が普通に皆にシュークリームを渡すと思うてか。
ふっはっはっは。そいつは甘い。パイナップル缶詰の中身に練乳と生チョコぶち込んで生クリームでコーティングするぐらい甘い。ちなみに隠し味はお好み焼きソースだ。
もちろん、否である。ただ淡々と『はい、これ』で済ませてしまえば、禮逗御舞蝋摩の名前にキズが付くと言うものだ。
『ライズ』だけに、“プレゼントの場を惨劇に変えるほどの『サプライズ』”を用意しなければなるまい。
そこ、親父ギャグと言うな。割と口癖だチクショウ。
さて、今回の惨劇に必要なのは甘さではない……………、“辛さ”だ。
戦場において火力とは実に重要なものである。 順番で言うならば、現場情報の次ぐらいに重要だ。
そんなわけで、今回俺が提案するサプライズとはズバリこれだ。
☆ ドッキリ♪
シュークリームを食べてみたら、中にはカスタードに混ざって
“大量の辛子”がこれでもかというほど投入されてるよ(ノ∀`)アチャー 作戦 ☆
である。
もちろん全部に入れるわけではなく、20個中で2個という、90%の確立で回避可能な技である。
で、当てた人には救済措置として、さらにもう3個シュークリームが与えられる。(辛子は勿論無い。)
つまり、より多くのシュークリームを食べたくば、わざと辛子入りを引かざるを得ない。
しかし辛子は濃密度。おまけにどこにあるかは分からず、他のものと区別は出来ない。
と、こういう計画を思いついたわけだ。
なお、この発想の根底は『清村くんと杉小路くんと』シリーズよりインスピレーションを受けたものを独自に改造したと追記しておこう。
土塚理弘さんは近年稀に見るギャグの天才だと思う。増田こうすけさんが理性で笑わせるギャグだとすると、土塚さんは本能で笑えるギャグではないだろうか。なんとなく、そんな気がする。
いや、漫画家の話をしているんじゃなかった。
とにかく、シュークリームの名を冠した時限発火爆弾を、部室に並べる瞬間が来たわけである。
一つは同級生が、もう1つは先輩が引き当てたのだが、いやはや。
『マッチしてる』とか、『これはこれでいける』とか言われたのには驚いた。
来年は辛子だけではなく、わさびやタバスコ、練乳と生チョコぶち込んd(ry とか試してみたいね。最後のは嘘だけど。
本命のいちごマシュマロの受け渡しも恙無く終了し、今日という日を終えたのだった。
明日は終業式。どうか願わくば、血塗れのように赤い通知表でありませんように。ついでに俺が血塗れになりませんように。
ではでは。