『Circle Of The Extraordinary Rangers ――― 通称“Coterens”』

『―――思い返すのはあの廃墟と化していた兵廠。嵐の中に聳える粗末な要塞。

 なんというペテンだったのだ。防衛省を任せるなんてまったくの嘘だった。
 初めから私がこの選択肢を取ると分かっていて、
 彼はわざとふるいに掛けたのだ。
 クーデターが起こってしまった? 避けられなかった?
 何を馬鹿な。
 銀乃城一貴の影響力があって止まらなかった筈は無い。

 何故父親の背中を追いかけたがる娘を自衛官にさせなかったのか。

 それは近い将来に自分達自衛隊北方領土侵攻、ひいては起こりうる
 第三次世界大戦で玉砕することを、初めから知っていたからだ。

 ………そうだろうとも。クーデターを引き起こした張本人よ。
 最大の戦犯、銀乃城一貴よ。

 このまま進めばまるで太平洋戦争の再現だ。
 全世界相手に殴られて再起不能になる。そんなことは承知の上だろう。

 ただ、黙って日本が地球儀から消えていくのを見る事に比べたのならば―――
 玉砕してでも自分達を、日本の意思を、祖国の意地を、
 貫くだけの愛国心があった彼等を。
 彼等の行いの全てを、仇なる反逆であったと誰が断罪できるだろうか。』


――――近日掲載予定、『Coteren's Origin』序章より数文抜粋



ライズだ。こんにちは。

なんかついに一年越しのプロジェクト『Coteren's Origin』の序章が、

あと少しで公開されそうな雰囲気のようです。


………でもまだ序章だけどな!!


『おせえ。卒業してから完成させたとな………』などと言わずに生暖かく迎えてくだせえ。


今回はそれに先駆けて、かるーく作品についてのアレやコレやを話したいとか思います。



まずなんかおおまかなコンセプト。


まず初めに、高校の時に所属していた文芸部内において半ば伝統と化していた、『文芸戦隊コテレンジャー』というイロモノ企画が存在しててね。

何をトチ狂ったのか俺がそのスピンオフをする事に決めたのが始まりだったのね。


その企画はそもそも部活内の全員が参加して作らなきゃなんだかなぁって感じのものだったし、皆それぞれ漫画にしたりなんやりやってるんだけど、俺は漫画が描けないわけよ。

かといって、この元来ゆるゆるな世界設定での短編の物語を書くとなると、それがどうにも自分の肌に合いやしない。


まず、根本的に俺は『ストーリー至上主義者』なのである。

それゆえ既に完成し存在しているキャラクターを動かすという行為そのものが俺はへたくそだ。だから俺はSSとかも書けない。

ストーリー、というか『何をやりたいか』を決めてそれだけ作って、その構成に必要なら必要な登場人物だけを作成する手法でしか物を書いた事が無かったし、

キャラクター性にのみ依存してくだらない文章を量産することは俺の本意でもなかったのである。

はっきり言ってそんなことは誰にでも出来る。誰にでも出来るような劣化作品を作るわけにはいかない。

そんなものは物書き人生4年間で多少なりとも培った根性に反するというもんだ。


そして次には、俺は今までと全く別のジャンルで書ききる事が出来るのか不安であったのだ。

俺といえば、ライズと言えば。


七夕の真相を彦星が実は殺されていたことにしたり、

自分が生まれるより前ぐらいの年月に爆発事故を起こさせたり、

ベトナム戦争孤児を教会に預けてバーを経営させたり、

雪が降る河川敷で主人公とヒロインのフラグをバッキバキに折ったり、

南の島で脅威の巨大生物を誕生させて都市を破壊させたり、

些細なキッカケでズレ始めた時間を巻き戻した主人公が結局ヒロインの自殺を止められなかったり、

繰り返す時間の中でタイムカプセルを何週も何週も掘り返させたり、

主人公が第一話で死んだり、

牛乳瓶が割れたり電球に虫が溜まったり、

大学教授の殺害事件から何年も経ってから3人の犠牲者がそれぞれ遺した証拠の組み合わせで事件を弾劾したり、

それによってマンションの管理人が石碑の前で笑い泣きしながら最期の言葉を残したり、


そういう作品しか書いたことないし書けないのである。


それがいきなり『戦隊が公園で紙切れと戦う話を書く』ことになるのだという。

マイケル・ムーアネギま作らせるぐらいアウェイだよ。でもやることになったんだよなぁ。



それからというもの、俺はストーリーの構成にかなりの時間を費やした。たぶん全部含めると200時間ぐらい。あぁそりゃ受験にも落ちるわ。


最初はもう適当にコテレンジャー設立の話でも書こうと思って軽く取り組んでたのに、

そのうち背景設定に拘り始めて、間接描写に力入れ始めて、挙句一章分丸々消して書き換え、ボリューム2倍に増加などザラになった。


この日記の冒頭の文は、そのとばっちりで追加された『序章』の文章っす。雰囲気伝わるかなと思って載せました。

もはや『戦隊が公園で(以下略』の原型も留めちゃいねえ話になった。


あとストーリー構成全体を見直して、その結果本来味方のまま終わる筈だった重要人物も一人裏切ることになり、ほとんどラストは思い描いていたものと違うものになった。

それ自体は珍しい話じゃない。俺が書く物語はどれも“初期プロット(紙媒体によるもの)”“推敲プロット(電子体によるもの)”“本番プロット”の3段階に分けてやるのが常なので、紙に書いてあることと実際に出た作品が別物になるのはよくある話だった。

今回はそれほど序盤のプロットは変更されずに済んだけどさ。



そんで肝心のストーリーなんだけど………まだ公開してない段階で物語の背景を語るのはいかがなものか。

さっきみたいに雰囲気伝えるどうこうって次元じゃないし………。


まぁそれは、近々更新される予定の本編序章で把握してやってくれたらうれしいです。


ほんじゃあま、明日の塾に備えて今日はもう寝ますわ。おやすみー。