『3度目のクリスマスについて。』

メリークリステル。ライズだ。こんにちは。


今日知ったんだが、どうやら『泣いたことについて』とそれ以後の更新途絶を巡って、後輩たちの間に“ライズ自殺説”が広まっていたといった情報が、同期であった漸と申す者からもたらされた。


あの記事掲載から日記の更新が途絶えたことは、一見して因果関係があるようでじつはまったくない。


俺にリアルで会ったことのある人間ならば納得するであろう事だが、俺はしばしば思考回路が異常な飛び方をする。

よって、たとえ落ち込んでいようが、「大豆から出来たはずのしょうゆが黒いという意味が分からない」と考え始めたら、直前のことはよくわからなくなるのである。


つまり、俺はただ、“みそ汁かき混ぜ機”の開発についてとか、迫り来る2012年の人類滅亡にすっかり怯えたりとか、そういうことをして生きているうちに、日がどんどん過ぎたのだ。

皆さんが心配してくれていた間、俺はすっかり元気を取り戻し、あまつさえヨリも戻し、そして『ラーの翼神竜』のあまりの劣化を嘆いていたのである。

そんなこんなで、心配してくださった方には本当に申し訳ないと思う。



そういうわけで、今日の日記で書こうと思っていたことが2つほどあったのだが……。


『十歳を相手どって激昂し、指輪の光線どおりに動いて槍を突き刺すおもちゃを作る三十代後半の男性について。』

か、

『腕の装置の遠隔操作で機体後方に空気砲をぶっ放すという件について。』


で日記を書こうと思っていたのだが、せっかくのクリスマスが台無しになるのでやめておく。



前述のとおりすっかり調子とヨリを戻した俺は、来るべきクリスマスにすっかり浮かれていた。

しかし折りしも世界はリーマンショックに陥っており、それとはなんら関係ないが俺は浪人していたのだった。


(……俺にクリスマスなどあるまい。しかしせっかく仲を戻したこの時期、会わねばやはり恋仲とは言えまい……)

そう考えた俺は、脳みそ全壊でさらに熟慮を重ねた結果、あることを閃いたのだ。


「……あっ、授業受けながらデートしたらいいんじゃね?」

まさに天才である。アインシュタインソクラテスも真っ青である。俺はたまに自分の頭脳が恐ろしい。


というわけで、その運命の相手たる園宮稚羽矢を半ば強引に塾へ引き込み、半ば強引に席に座らせ、そして半ば強引にプリントした教科書を渡した。


これでクリスマスも文句あるめえ…………!


まぁ、マジで一緒に授業受けて、あとは帰り際に鴨川歩いていい雰囲気になって、

でホテル行って一日終了ですよ。

この一行ぐらい前ではげしい嘘を付きました。ごめんなさい。

実際には俺がそのあとさらに授業があって別れざるを得なかったんだけども。


でも、鴨川はいい眺めだったね。

久しぶりに充実した時間だった。


春には毎日これを出来るよう、今全力を出しておかないとな。

こりゃ、まだまだ死ねませんぜ。


同期の浪人生組も、最後まで頑張っていこうぜ!